じつは見過ごされている巨大なマーケット

日本の国民医療費はまもなく50兆円(年間)になろうとしています。

 

筆者は今から10年前、「食育」の分野で仕事をしていましたが、そのころの国民医療費は30兆円ほどでした。

それでも、「30兆円なんてひどすぎる!」と思っていましたし、心ある人はみな、そう思っていたはずです。

 

世のヘルスケア企業は国民医療費を減らすことを理念にかかげ、あの手この手のサービスを打ち出していましたし、筆者も「食育」を広めることで生活習慣病を減らし、国民医療費の削減に貢献したい。

そう思っていました。

 

ところがどうでしょう。

国民医療費は、減るどころかその後も増え続け、まもなく50兆円です。

 

50兆円というと、乳幼児を含めたすべての日本人が、毎月4万円を医療費に使っている計算です。

筆者のやっていた「食育」って、いったい何だったのでしょうか。

社会の役に立っていたのでしょうか。

やるせない気持にもなってしまいます。

 

しかし「ヘルスケア業界」そのものは、国民医療費の金額が増えるにつれ、拡大しました。

業界としては経済的に潤ったことになります。

皮肉なものですが、それが世の摂理なのでしょうね。

 

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現代社会の深刻な課題である国民医療費ですが、じつは今回のテーマの

「じつは見過ごされている巨大なマーケット」

は、このことではありません。

 

おそらく国民医療費に匹敵する規模の大きな市場が、見えないところに生まれつつある、という話です。

 

それは

「孤独マーケット」

です。

 

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かつては少数派(マイノリティ)が孤独だったのですが、現在は多数派(マジョリティ)が孤独であるという話。

 

インターネットのSNSが発達したおかげで、かつては孤立していた少数派が仲間を見つけやすくなり、そこに安住できるようになりました。

いっぽう、それ以前の社会で多数派とされ、会社や地域社会などの「メジャーな場所」にいた人たちが、SNSへの対応がうまくできず、

SNSを居心地悪いとも感じ、そうこうしているうちに会社や地域社会などの「メジャーな場所」が安住の地でなくなってきているため、

社会的なつながりを実感できなくなり、急激に孤独を感じるようになりました。

 

米国心理学会は総会で

「孤独感は肥満よりも深刻な社会問題だ」

という発表を行いました。

イギリス政府が「孤独担当大臣」という役職を新設したのもその表れです。

日本でも「孤独」がメディアに取り上げられることが増えてきたように思います。

 

(参考記事)家族がいても孤独…本音を押し殺してサバイブする50代女性

 

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このように「孤独」は社会問題としての規模が巨大になりつつあります。

これを解決する手段として「ビジネス」がフィットするのかどうか、いまのところよく分かりません。

とはいえ、「社会起業」「ソーシャル・ビジネス」といったカテゴリがすでに存在しているように、ビジネスの手法を使って「孤独」問題の解決をはかるのは可能だと思われます。

 

前述のイギリス政府は孤独担当大臣の新設のほか、

「人々を結びつけるコミュニティに対して金銭的な助成をする」

という決定もしています。

このあたりにビジネスのとっかかりのヒントがありそうですね。

 

さきほどの国民医療費と同様に、おそらく「孤独」は今後も拡大するでしょう。

「孤独」対応ビジネスも経済的に伸びるのではないでしょうか。


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