税理士の方へ


すぐそこに迫ったAI時代。税理士の仕事はどうなる?

ネット上でもビジネス誌などでも

「AI社会が到来すると、なくなる職業」

「10年後に消える仕事」

こういったテーマの記事をよく見かけます。

「なくなる職業」の1つに「税理士」が挙げられることが多いようです。

記帳業務や決算書作成業務はAIに代替されやすいと思われるからでしょう。

 

しかし過去を振り返ってみると、

「税理士の仕事がなくなる」

という話は、今になって出てきているものではありません。

20世紀の終わりごろに会計ソフトが開発され商品として出てきたころにも、

「これで税理士は不要になるかもしれない」

という議論がさかんに交わされていました。

つまり20年も昔から、「なくなる職業」の1つに「税理士」が挙げられていたということです。

 

では、実際はどうだったでしょうか。

税理士の仕事はなくなっていません。

 

たしかに記帳業務は会計ソフトを使えばだれでもできるようになりました。

ですが、

  • 税務申告の微妙な判断
  • 企業財務のコンサルティング
  • 税務調査への対応

といった「人間的な」分野に強い税理士は、現在でもビジネス社会で重要な役割を担っています。

 

ネット上やビジネス誌上での「職業がなくなる、仕事がなくなる」というこれまでの議論は、その職業や仕事の定義をしないまま、なされているように思われます。

会計ソフトの登場によって起こったのは、税理士という職業がなくなったのではなく、税理士に求められる分野が変わった、ということでした。

すなわち

  • 記帳業務は機械化された
  • 「人間的な」仕事はかえって需要が高まった

という変化だったのです。

 

来るべきAI社会は、これまでの社会と大きく違うでしょう。

ですが、おそらく税理士という職業はなくなりません。

ただ、求められる役割は変わるはずです。

ビジネスモデル鑑定士は、そんな新しい税理士の姿を提案するものです。

 

税理士に限らず、現在、私たちが巻き込まれているこの変化を通じて必要なのは、

「変化をよく理解し、使いこなすこと」

だと考えています。

AIを使えば誰でもできるようになった業務はさっさとAIに任せるべきです。

そのかわり、変化に対応した新しい需要を見出していくことが、

「来るべき未来を楽しむポイント」

ではないでしょうか。


税理士が「ビジネスモデル鑑定士」になる意義

「ビジネスモデル鑑定士」としてのスキル・能力は、税理士の仕事と相性が良い、と考えられます。

その理由は、

  • 「ビジネスモデル鑑定士」は自らビジネスモデルを考えるのではなく、クライアントが持つ事業アイデアやビジネスモデル案を冷静に評価する人であること

だからです。

 

下の図のように、クライアントが新規事業に取り組むプロセスを

  • 計画段階
  • 実践段階
  • レビュー段階

と分けるとしましょう。

これまでの税理士は、新規事業の計画段階で相談されることはあまりなかったと考えられます。

税理士は事業ができあがってからの相談相手であり、事業を考えている段階での相談相手とは見なされにくいからです。

 

下の図で言うと、

  • 狭義の税理士業務は「事業のレビュー」に対応
  • 顧問としての税理士業務(広義の税理士業務)は「事業の実践」の、おそらくは後半部分に対応

ということになるでしょう。

 

これに対し、「ビジネスモデル鑑定士」は新規事業の計画段階でクライアントの相談に応じることを目的としています。

つまり、

  • 今まで税理士の舞台と見なされていなかった「計画段階」という領域
  • 今まで税理士が関与することのなかった「計画段階」というタイミング

において、新しい税理士の活躍テリトリーが生まれることになります。

これが、税理士が「ビジネスモデル鑑定士」になることの意義です。

(下図参照)

 


シームレスな経営指導ができるようになる

緻密さ・正確さが求められる「レビュー段階」に対し、「計画段階」は創造性や発想力の世界です。

しかしそうなると、

「創造性や発想力の世界では、税理士の経験やスキルは活きない。その領域で活躍する自信がない」

と思う向きもあるでしょうが、心配は要りません。

なぜなら、

  • 創造性や発想力を発揮すべきなのはクライアントの仕事であり、
  • 「ビジネスモデル鑑定士」は計画段階の事業アイデアを評価することが仕事

だからです。

「ビジネスモデル鑑定士」として活躍するにあたり、これまでの税理士として培ったスキルや経験は多いに役に立ちます。

 

「計画段階」でクライアントの相談に載ることができるということは、

  • 計画段階
  • 実践段階
  • レビュー段階

すべてを網羅することになります。

その結果、アドバイス業務・コンサルティング業務に「切れ目」がなくなり、シームレスな顧問としての存在感が生まれます。


まとめ

  • AI時代が到来しても、税理士の役割はなくなりません。
  • ただし求められる役割が変わるでしょう。
  • そのため、新しい税理士の姿が模索されています。
  • AI時代の到来に備え、企業は新規事業の創出が課題となっています。
  • 企業が新規事業を始めるにあたり、その「計画段階」をサポートするのが「ビジネスモデル鑑定士」です。
  • 税理士が「ビジネスモデル鑑定士」を兼ねれば、これまでの「実践段階」「レビュー段階」に加え、新規事業の「計画段階」もカバーすることができます。
  • その結果、クライアントに対しシームレスなアドバイス、コンサルティングが可能になり、税理士としての価値が上がります。