
タマゴは「物価の優等生」と言われることがあるように、半世紀前からこのかたタマゴの市場価格は
あまり変わりませんでした。
買うほうとしては価格が安定しているのはありがたいことですが、生産者側としては生産コストが変動するなかで市場価格に合わせるのは楽ではありません。
合理化を進めるにも限界があります。
そこで、タマゴの販売価値を高めようという工夫をするわけですが、それが功を奏しているように
見えるのは「○○専用」という考え方です。
「タマゴ焼き専用」
「親子丼専用」
「オムレツ専用」
「カルボナーラ専用」
こうしたタマゴが登場しています。
ニワトリの品種や食べさせる飼料によってタマゴの味に微妙な違いが生じてきます。
ハーブを食べさせることもあるそうです。
その結果、
- 黄身が濃厚になったり、
- あっさりしたり、
- 食感が良くなったり
変化するのです。
この変化を活かし「○○専用」とすることでタマゴの価値が上がります。
高値で売れるようになる。
飼料の質を上げたり手間をかけたりする必要はありますが、そのコストを大きく上回る商品価値となります。
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同様の例としては「○○専用の醤油」があります。
「タマゴかけごはん専用」
「焼き魚専用」
「餅専用」
などなど。
近年はアイスクリームやプリンに醤油をかけることもあり、
「アイスクリーム専用」
「プリン専用」
の醤油もある。
これらの「専用醤油」は一般的な醤油より高い商品価値となります。
開発に手間や時間がかかりますが、そのコストを大きく上回る商品価値となります。
「おもしろい醤油がある」ということで注目されたりもします。
そのほか、「長さが85センチしかない巻尺(メジャー)」というものもあります。
ふつうですと、いろんな長さを測れるように
- 3メートルの巻尺
- 5メートルの巻尺
など、長めになっているものがほとんどなのですが、この巻尺は85センチしかありません。
なぜならその巻尺は
「中年のオジサンの腹囲(お腹まわり)を測定するだけのもの」
だからです。
厚生労働省の基準では中年男性の腹囲が85センチを超えると「メタボリック・シンドローム(メタボ)」と診断されます。
そこで、メタボかどうかを判断するだけの巻尺、すなわち「メタボ判定専用の巻尺」が登場したのです。
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このように「○○専用」にすることで、注目度を上げたり商品価値を上げたりすることが可能です。
ビジネスモデルについてもこのような「専用化」が考えられますね。
汎用的であったものに「専用」の要素を加えるというわけです。
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