ビジネスモデルの「系」

ビジネスモデルの「系」とは

「どこまでを1つのビジネス単位としてとらえるか」

という、範囲のことを言います。

 

JRを例に挙げると、JR東日本という会社は非常に大きな会社ですが、その事業を分解すると

  • 運送業
  • ホテル事業
  • 旅行代理店
  • 広告代理店
  • 車両の製造業

など、さまざまな事業で成り立っています。

 

この複合体の全体を1つの「系」すなわちビジネス単位として見ることができます。

 

その場合、個々の事業には黒字のものと赤字のものが混在していても、全体として黒字になればビジネスが存続する、という考え方が成立します。

 

 

いっぽう、1つ1つの事業をそれぞれ独立の「系」とみなして考えることも可能で、その場合は、黒字の「系」は存続しますが赤字の「系」は存続が難しくなります。

 

さらに、JR東日本の「運送業」の部分だけを掘り下げて細分化することも可能で、

  • 東北新幹線という「系」
  • 山手線という「系」
  • 中央線という「系」

などを設定することができます。

 

この場合も、黒字の「系」は存続しますが、赤字の「系」は存続が難しくなります。

 

しかし、

  • 赤字路線があるおかげで黒字路線が恩恵を受けている
  • もし赤字路線をやめてしまえば黒字路線の採算が大幅に悪化する

という「相互に影響している」ケースもありうるわけで、そのようなときは赤字路線と黒字路線を別々の「系」とみなすのはよくありません。

1つの「系」として扱うべきでしょう。

 

このように、「系」の設定のしかたでビジネスのありかたも変わってきます。

 

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「系」の概念ですが、有名な物理法則の1つに

「質量保存則」

があります。

 

 化学反応の前後で

 「系」の質量は変化しない

 

という法則。

 

ここに「系」という概念が登場します。

 

100グラムのロウソクに火をともしてしばらくたつとロウソクは軽くなっています。

しかし実はロウの成分が酸素と反応し(=燃焼)、別の成分となり、空気中に散ったからで、ロウソクじたいは軽くなっていますが、

周囲の空気を含めた総質量は変化していません。

ロウソクと火だけを「系」としてしまうと質量保存則は成り立たないのですが、周囲の空気を含めた全体を「系」と考えることで質量保存則は守られます。

 

つまり「系」とは

「全体で調和がとれている1つのまとまり」

「細部には凸凹があるが全体で辻褄が合っている1つのまとまり」

のような意味あいの言葉です。

 

 ▽

 

この「系」の考え方は、これからビジネスモデルを組み立てるときにも重要な要素です。

とくにソーシャルビジネス、すなわち社会貢献度の高い事業を計画する際によくあることの1つに

「社会に貢献しようとすればするほどどうやって収益をあげるかよい考えが浮かばず、壁にぶつかる」

があります。

そんなとき「系」の設定を見直すことでその壁を越えることが可能になります。

 

たとえばアメリカ西海岸にあるとあるNPOは、家出した少年少女を受け入れる施設を運営し教育などを行っていますが、それだけでは経済的にうまく回りません。

この施設の運営を「系」として決めつけてしまうと赤字になってしまいます。

 

しかし、実際にはこのNPOはアイスクリーム屋を出店しています。

そのアイスクリーム屋が非常においしいので高い人気を誇っており、チェーン展開をするまでになっています。

アイスクリーム店が十分な利益を上げているので、施設の活動が支障なく行われているのです。

 

また、アイスクリームの利益が施設の運営に使われていることを知っている顧客が多く、アイスクリーム店の評判を高めています。

 

施設とアイスクリーム店、この2つを合わせて「1つの系」と見なせば、事業として成立しています。

「細部には凸凹があるが全体で辻褄が合っている」

と言うことができます。



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