ダイエットのビジネスモデル

この世にはさまざまなダイエット支援サービスが存在していますが、その中でも最大のものは、「ウェイト・ウォッチャーズ」でしょう。

創業1963年、つまり50年以上の歴史を持つ減量プログラム企業です。

1978年から1999までの間はケチャップで有名なハインツの子会社でしたが、現在は独立会社としてニューヨーク証券取引所に上場しているので、押しも押されぬ大企業です。

 

会員数は全世界に合計260万人。

ちなみに、オプラ・ウィンフリーさんはこの会社の大株主です。

 

ウェイト・ウォッチャーズは市販されている食品に独自の方式で点数をつけ、会員に発表しています。

食品の新商品は次々と市場に出ているので、ウェイト・ウォッチャーズによる「点数化作業」も延々と続いています。

ウェイト・ウォッチャーズは食品に点数をつけるための独自の計算式を持っており、この計算式にはアメリカの特許庁から特許が認められています。

 

ウェイト・ウォッチャーズの減量プログラムの会員は食品を買うごとにこの点数を自分で計算し、1週間の合計点数が一定の枠を超えないように食生活をコントロールする。

そうすると体重が徐々に落ちていく。

あわせて、ウェイト・ウォッチャーズは世界各地で会員が集うイベントを開催しており、このイベントを通じて会員同士が交流し、減量プログラムが継続する。

そういうビジネスモデルになっています。

 

 ▽

 

しかし、そんなウェイト・ウォッチャーズですが、近年は、ダイエット分野の新しいビジネスモデルが次々と登場しているため、激しい競争に直面しています。

 

たとえば筆者が注目しているのは

「ヘルシー・ウェイジ」

というビジネスモデル。

2009年の創業ですのでまだ若い企業です。

 

顧客は、自分の体重の減量目標を登録してお金を賭け、ヘルシー・ウェイジ側はその賭けを受けます。

ようするに賭けの元締めになる、ということです。

  • 宣言どおり体重が減れば顧客は賞金がもらえる
  • ダイエットに失敗すれば賭け金は元締めが没収する

というビジネスモデルです。

 

この賭けは個人でも参加できるし、チームでも参加可能。

減量目標やその期限、賭け金は顧客側が決めます。

賞金は難易度や賭け金により変動します。

 

減量開始のときの体重と終了時の体重については、正直な申告が行われるように、

  • 審判員による確認

または

  • 指定された方法での証明

が必要となっています。

 

また、賞金ほしさのあまり体を壊すほどの無理な減量をする「不届き者」もいるので、極端な減量目標を立てても賞金がさほど大きくならないような計算式になっています。

 

 ▽

 

このビジネスモデルは学術的なエビデンスにもとづいて開発されたものです。

かねてから

「人はどんなときに真剣に減量するのか」

という研究がハーバード大学などで行われていましたが、その結果

  • 金銭的なインセンティブがあれば、減量に真剣になる
  • 損をしたくないという不安を刺激すれば減量に真剣になる

ということが判明したため、このビジネスモデルが考え出されたとのこと。

 

 ▽

 

筆者がこの会社のことを知ったときに最初に思ったのは

「この会社、利益は出るのか?」

ということでした。

たとえば1万円の賭けをして頑張って減量しても、賞金が 9,800円だったら賭けないですよね。

(減量できたという満足感が本来の価値なのですが)

少なくとも賭け金より大きな賞金でないと賭けに参加しないでしょう。

 

だとすると、この会社が安定して利益を出すためには

  • 一定の確率で敗者がいなければいけない
  • 一定の確率で減量が失敗しなければならない

ということになります。

そうでなければ国の補助(=税金による補填)でもないかぎり経営が成立しません。

 

でも、そもそもこのビジネスモデルは

「人はどんなときに真剣に減量するのか」

という研究にもとづき、減量が成功するために工夫されているはずなので、その効果が上がれば上がるほど=企業努力をすればするほど、元締め(会社側)は損をすることになります。

 

 ▽

 

そんな筆者の疑問にも関わらず、ヘルシー・ウェイジ社はいまのところ順調に売上を伸ばしているようです。

なぜ順調なのか、筆者も調べていますが、まだその秘密が分かりません。

やはり

「なんだかんだ工夫しても人は減量に失敗する」

ということなのかもしれませんね。


(合格者全員に進呈)

独立して「講師になる!」「教室をひらく!」スタートアップガイド