プラスチックゴミによる海洋汚染が世界的な問題として取り沙汰されています。
4年前のダボス会議では
「海中のプラスチックの総量が、2050年に魚の総量を超える」
という衝撃的な発表がなされています。
捨てられたプラスチックが細かい粒子となって魚の体内に蓄積し、魚を食べた人間の便からプラスチックが検出されたというニュースもありました。
多くの国がプラスチックの廃棄やプラスチックの使用を制限する動きをしています。
さて、この問題自体は深刻で、重く受け止めるべきことなのですが、問題解決に深刻な顔は必要ありません。
暗い問題を明るく解決する、そういう姿勢も悪くないと思っています。
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プラスチックゴミを減らす方法の1つとして
「ペットボトルの利用を減らし、マイボトルに切り替える」
があります。
一説によれば全世界で消費されているペットボトルの数は毎分100万本だそうです。
人々がマイボトルをあたりまえに持つようになれば、これを削減できます。
なので
「インスタ映えするマイボトル」
を販売するビジネスが数年前から活発化しています。
この流れを受けて、最近、
「無料の飲料水が手に入る場所がわかる地図アプリ」
が開発され、これを使ったビジネスモデルがアメリカで生まれました。
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アプリ自体は、現在地の最寄りの、無料の飲料水が手に入る場所を表示する(たとえばビルの中の冷水機の場所など)というだけの
シンプルなものですが、マイボトルが空っぽで水を入れたいとき、水がどこで得られるのか、これまではひたすら探しまわるだけでした。
むろんコンビニに行けば水が手に入るのですが、それらはペットボトルに入っています。
ペットボトルを使いたくないからマイボトルを使っているわけで、コンビニに行くというのは答になっていません。
ですが、このアプリが登場したおかげで分かりやすくなりました。
それだけではありません。
ものすごい数のカフェやレストラン、バーガーショップが、
「このアプリで検索されたい」
という動機から、店内に無料冷水機などの設置を増やしたのです。
たとえばバーガーショップに冷水機があれば、アプリを使った人たちが来店するようになります。
するとマイボトルに水を入れると同時に、多くの場合はハンバーガーも買う。
結果的にハンバーガーが売れ、人々はペットボトルを買わずにすみ、プラスチックゴミが減る。
そういうことになります。
現在地の最寄りの、無料の飲料水が手に入る場所を表示する、というだけのシンプルなアプリが、人々や企業などを巻き込み、プラスチックゴミを減らすビジネスモデルに成長したということです。
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暗い問題を明るく解決する。
そういう事例として紹介しました。
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