今回は過去にアメリカで実際にあったビジネスモデルを紹介する。
このビジネスモデルは、立ち上がった当初は一世を風靡したが、長続きしなかった。
しかしそこには、
- 時期がやや早すぎた
- アメリカより日本に向いているビジネスモデルだった
という理由があったと思われる。
これを
- 当時ではなく今、
- アメリカではなく日本で
立ち上げるというアイデアも考えられるかもしれない。
目次
- このビジネスモデルについて
- このビジネスモデルの顛末
- このビジネスモデルからの学び
1.このビジネスモデルについて
2005年~2010年ごろの話だが、とある子どもむけ料理教室がニューヨークで話題になっていた。
この料理教室は、料理を通じていわゆる勉強を教えていた。
勉強、すなわち「国語」「算数」「理科」「社会」などだ。
つまり料理教室の形をした学習塾だったと言える。
この料理教室の指導者は、調理を教えながら、「国語」「算数」「理科」「社会」をその中に盛りこむ。
例えば以下のように。
- 豆腐料理をみんなで作りながら、「この料理は日本」と説明しながら「日本はどこにある?」と世界地図を見せる(地理)。
- ニンジンを立方体に切りながら「サイコロはいくつ面がありますか?」と数えさせる(算数)。
- トマトの生育を説明する(理科)
- 料理にオリーブオイルをかけるときに、オリーブオイルの歴史の話をする(社会)。
生徒である子どもは、聞く・読む・書くといった通常形式の授業ではなく、料理を作ったり味わったりするプロセスで知識を吸収し、情緒も発達させる。
そういうコンセプトで誕生した「料理教室型の学習塾」だった。
2.このビジネスモデルの顛末
「クリエイティブ・キッチン」。
これが、この「料理教室型の学習塾」の名前だ。
「クリエイティブ・キッチン」の全盛期は、全米各地で開校していたようだ。
だが現在は稼働していない。
日本ではなくアメリカでのことでもあり、どういう経緯で閉校となったのか、詳細は不明だ。
カリキュラムの細かいところや指導要領の中身などをもっと知りたいが、昔のことでもあり、調査は難しい。
この学習塾は閉校したとはいえ、料理を通じて勉強を教えるというアイデアは今でも使えると思う。
実際、料理を通じて「国語」「算数」「理科」「社会」を教えると、成績は上がるのか? という研究がアメリカの大学で行われていると聞く。
それによると、少なくとも理系の科目は成績が上がるという結果が出た。
(文系の科目については解析中らしい)。
3.このビジネスモデルからの学び
「クリエイティブ・キッチン」は料理教室なのか、それとも学習塾なのか、本質はどうなのだろうか?
主催者は、あくまでもこれを料理教室と捉えていたようだ。
だがこのビジネスモデルを日本でやるとすれば、むしろ学習塾と考えるほうがよいかもしれない。
既存の学習塾のような本格的な「受験対策」を提供できるかどうかは分からない。
しかし学力が向上するようにきちんと研究してカリキュラムを組むことは可能だろう。
「学習塾型の料理教室」の特長は、「勉強が美味しい」というイメージを作りやすいところにある。
このイメージが学習意欲の向上につながる。
美味しいという記憶が学習の記憶と結びつき、記憶の定着も良くなるかもしれない。
学力だけでない、情緒面の成長も期待でき、「親受け」のよい学習塾になれるのではないだろうか。
知育(勉強)と食育とのハイブリッドだということだ。
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