サブスクリプションのビジネスモデル

消費した量に応じて金額が決まる方法を「従量課金」といいます。

たとえば電力使用量に応じて電気料金が変わるように契約している場合、これは従量課金です。

 

これに対し、月会費や年会費など「量」とは関係なく「期間」によって金額が決まる方法を「定額制課金」

といいますが、最近はこれを「サブスクリプション」と呼ぶのが流行ですね。

 

住宅ローンや自動車のローンなども広い意味でサブスクリプションに該当すると言えるでしょう。

ITの分野でいうと、かつては

「ソフトウェアを購入し、自分の端末にインストールして使う」

ということが多かったのですが、最近は

「ソフトウェア自体はクラウドに置かれ、利用者は毎月一定額を支払い、ソフトウェアを使う」

ということが主流です。

これも「サブスクリプション」に該当します。

 

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  • 定額制
  • 会費制
  • サブスクリプション

どれも意味はだいたい同じなのですが、言葉の力は面白いもの。

「定額制」「会費制」と言われてもピンと来なかったのに、「サブスクリプション」という言葉になると人々の頭が急に柔らかくなり、創造力が刺激されるようで、

「サブスクリプションをテーマにした新規事業の提案」

が近年次々と発表されています。

 

電器量販店などのポイント制度や航空会社などのマイレージ制度と本質的にはあまり変わらないにも関わらず、「仮想通貨」 という言葉になった途端、起業家の発想が大いに膨らみはじめた、というのとよく似ています。

いやはや、言葉の力は面白いものです。

 

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サブスクリプションに最も適しているのは

「消費してもしなくてもコストが変わらない」

という性質のものです。

経済学的にいうと限界費用がゼロというもの。

IT系のサービスはほとんどそうですね。

 

なのですが、最近はそうしたもの以外でも、「家具のレンタル」のような耐久消費財のリースもサブスクリプションと呼ばれることがあります。

洋服のレンタルも増えてきており、これもサブスクリプション。

また、高齢者むけに食事をデリバリーするサービスなども、献立は毎日変わるにもかかわらず、定額制にすることがあり、これもサブスクリプションです。

これらは限界費用がセロではないため、従来の考え方ではサブスクリプションには向いていないのですが、「サブスクリプション」という言葉に創造力を刺激された人たちがサブスクリプション化に果敢に挑戦しています。

 

先日、

「セメント会社がサブスクリプションでのセメント販売を始めた」

という記事を見ましたが、さすがにこれには驚きました。

ようするに料金はあくまで月額制で、大量にセメントを消費してもあまり消費しなくても変わらないということです。

そんなことをして大丈夫なのでしょうか。

もっとも、「飲食店の食べ放題」の巨大バージョンと考えれば、理解できる気がしますが。

 

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前述したように「サブスクリプション」というキーワードで新規事業を提案するのがこのところ流行っているわけですが、この傾向はしばらく続くでしょう。

「これまで従量制だったものをサブスクリプションに変えてみる」という試みがさまざまな分野で行われるものと思います。

(成功するものもあれば失敗するものもあると思いますが)

 

以下は、筆者の勝手な想像なのですが、

「パッケージ型のサブスクリプション」

とでも呼ぶべきものが出現する可能性があります。

つまり

  • 服装代
  • 住居費
  • 食費
  • 交通費
  • 光熱費
  • 通信費

など、生活のさまざまな要素を組合わせ、一括してサブスクリプションにして提供する会社が出てくるとか。

(アマゾンあたりがやりそうなことですが)

 

  • 本を読む。
  • 映画を観る。
  • ディズニーシーで遊ぶ。
  • 沖縄に旅行する。
  • カフェに入る。

といったことを組合わせたサブスクリプションや

 

  • 教育費
  • 結婚式の祝儀
  • 病院での治療費
  • 葬式の香典

などを組合わせたサブスクリプションも出現するかもしれません。


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